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拙著「中小企業のためのやさしい資金繰り」発刊に際して

表紙h24.3.30 「景気は緩やかに持ち直し」の政府発表とは裏腹に、中小企業にとってはデフレ、円高、震災影響など厳しい試練が続いています。この試練を乗り越えるために、欠かせないのが「資金繰り知識」なのです。

ある出版社は筆者にこう言いました。「金融円滑化法で倒産が減り、企業には楽観ムードが広がっている。いま、誰も資金繰りには興味を示さない」。確かに、給料ダウン、高失業、株安持続など不況を物語る指標もあるが、意外なことに企業倒産は落ち着いています。でも、この状況を筆者は油断とみるのです。資金繰りのコワさを痛感するシーンの到来を否定できないと考えます。

また中小企業には、不況克服はもちろんのこと、新分野進出などによって、地域経済再生のリード役になってもらいたいのです。この新分野進出を行う際にも、資金繰りは必須なのです。

 本書の特徴は次の点です。

  初心者にもわかる簡単な表を使います。

      簿記をまだ勉強していない方でも理解できるよう、最もシンプルな表を用いました。簿記を勉強するヒマがないと言われる方、経営者、創業者、新入社員など、に本書をお奨めしたいのです。

  表作成、分析、実績チェックの流れを紹介。

      資金繰りは表を作れば完了するものでなく、修正を繰り返しながら、行うものです。したがって、修正までの流れを大雑把につかむべきです。

  資金繰りを楽にする理クツをやさしく解説します。

      目的は、カネ繰りを楽にすることです。不足するカネを、とりあえず間に合わすためではありません。楽になる理クツをマスターすべきです。

本書によって、一人でも多くの方に資金繰りを知ってもらえれば幸いです。


資金繰り病③ スター商品衰弱症

最近よく見られる資金繰りの病気の3番目は「スター商品衰弱症」です。

この病気の困った点は、本人の自覚症状が弱いことです。実際は弱ってきているのに、まだまだ頑張れると空元気を出してしまうのです。

この実例は、日本のテレビです。まだまだ国際競争力があるとみられていましたが、日立製作所やソニーなど名立たるメーカーが今回、生産縮小に踏み切ることになりました。 www.sankeibiz.jp/business/news/120316/bsb1203160502001-n1.htm

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スター商品衰弱症」の症状は次の点です。

▼ スター商品売上の金額は依然大きいものの、伸び悩んでいる。

▼ 同商品の粗利益は、値引き・運賃負担等を勘案すると低下し続けている。

▼ 強力なライバル商品が追い上げてきて、品質・機能の優位性が失われている。

この症状のある企業には、機能向上によりスター商品の競争力を回復できるか、スター商品を撤退または縮小し新商品に進出すべきか、精密検査を受けられることをお奨めします。


モノ作りを呼び覚ますデザイン力

フェラーリ設計者として著名な奥山清行氏が、故郷の山形で社長が同級生の㈱菊池保寿堂とコラボ開発した、鋳物ティーポット「繭」が欧州で好評だと言います。同氏に触発された菊池保寿堂の職人たちは、息を吹き返したのです。
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eikojuku.seesaa.net/article/225352945.html
ヒットの秘密は次のとおり。

▼イタリア人以外でフェラーリをデザインした世界でただ一人の奥山清行氏のデザイン力。

▼㈱菊池保寿堂は創業400年の鋳物メーカーで薄さ2㎜の鋳物の技術を有する。

▼ティーポットが欧州レストランの雰囲気作りに好適。

ところで、わが地元広島には、カーデザイナーもモノ作りメーカーもいます。このようなコラボがあちこちで実現することを期待します。


意外に身近な新分野

鰹節問屋の中弥商店が10年前に始めた新分野の事業は「そば屋」。このアイデアは、得意先のそば屋に配達を繰り返すうちに思いついたと言います。
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このそば屋、店名を「そばよし」といいますが、日本橋界隈では有名な店で、行列ができるほど繁盛しているそうです。
wbslog.seesaa.net/article/247527022.html

繁盛の理由は次の通り。

  13代続く鰹節問屋のブランドを活用。

  鰹節の売買では利ザヤが稼げなくなると飲食への進出を決断。

  鰹節を原料に本格的なそばつゆを使用。

  人通りの多い東京・日本橋の自社ビルで営業。2階は鰹節工場。

値引き競争の厳しい業界で苦戦されている経営者は、既存事業に関連のある新分野を探してみてはいかがですか。この例のように意外に身近なビジネスが見つかるかもしれません。

 


メガネでもネット通販で売れる!

これまで試着の必要な商品はネット通販に不向きとされてきました。メガネフレームに関して、この常識を打ち破ったのが、プラスジャック㈱(福井県鯖江市)です。同社は、メガネ枠産地全体の売上不振を挽回するためもあって、ネット通販に進出し売上を伸ばしています。
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www.nikkei.com/tech/business/article/g=96958A88889DE1E7E0EBE6E0E3E2E2E1E3E2E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;p=9694E3EAE3E0E0E2E2EBE0E4E2E2

躍進の秘訣は次の点です。

  返品サービスを手厚くして、手数料・送料を無料に。

  顧客が使用中のメガネの視力測定値によりレンズを作成し、検眼サービスを省略。

  鯖江の商品は、やわらかな掛け心地、磨きなど高品質に定評あり。

今回、ネット通販開始にあたり、同社は米国のメガネ通販を徹底研究したといいます。
貴社の商品もネット通販にのせてはいかがですか。


プロフィール

Author:中小企業診断士 佐々木一樹
▼ 地方銀行に勤務し平成13年に中小企業診断士として独立。               ▼ 広島市中小企業支援センター、広島県中小企業再生支援協議会にて起業・新分野進出、資金繰りなどのサポートを行う。その他、中小企業数社と顧問契約。                     

みなさまへのお知らせ
平成24年3月下旬に、拙著「中小企業のためのやさしい資金繰り」を東京図書出版より出版。
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